野球の投球前に肩甲骨を動かす方法は?

野球の投球前に肩甲骨を動かす方法は?

野球の投球前に肩甲骨を動かすなら、腕を大きく振る運動、肩甲骨を寄せる・広げる運動、壁を使った上下運動を、痛みのない範囲で行います。肩甲骨だけを強く動かそうとせず、胸椎(背中の上部)や肋骨も一緒に動かすのがポイントです。

投球前は、体温を上げながら動きを広げることが目的です。反動をつけて無理に伸ばしたり、痛みを我慢して行ったりしないでください。

投球前に肩甲骨を動かす基本メニュー

次の運動を、ウォーミングアップの後半からキャッチボールの前に行います。回数は目安なので、動きが硬い場合は少ない回数から始めてください。

1. 腕の前後スイング

腕を前後に振りながら、肩甲骨を前後へ動かします。肩をすくめず、腕の重さを使ってリズムよく行うのがコツです。

  1. 足を肩幅程度に開き、背すじを自然に伸ばして立つ。
  2. 両腕を体の前後へ、力を抜いて振る。
  3. 前へ振るときは肩甲骨を外へ広げ、後ろへ振るときは肩甲骨を軽く寄せる。
  4. 前後に10〜15回、無理のない範囲で繰り返す。

腕を高く上げる必要はありません。肩の前側に詰まり感や痛みが出る場合は、振る幅を小さくします。

2. 肩回し

肩関節だけでなく、肩甲骨も一緒に大きく動かす運動です。前回しと後ろ回しを同じ回数行います。

  1. 両手を肩に置く。
  2. 肘で大きな円を描くように、肩を前から上、後ろ、下へ回す。
  3. 前回しを5〜10回、続けて後ろ回しを5〜10回行う。
  4. 首をすくめず、呼吸を止めない。

肘で円を描きにくい場合は、円を小さくしてください。左右で動かしやすさが大きく違うときは、無理に同じ大きさへ合わせないことが大切です。

3. 肩甲骨の寄せる・広げる動き

肩甲骨を背中側へ寄せる動きと、前へ広げる動きを交互に行います。腕を動かしすぎず、肩甲骨の動きを意識しやすい方法です。

  1. 両腕を胸の前へ伸ばし、手のひらを向かい合わせる。
  2. 背中を丸めすぎないようにしながら、肩甲骨を外へ広げる。
  3. 次に、肘を軽く後ろへ引き、肩甲骨を背中の中央へ近づける。
  4. 肩をすくめず、10回程度繰り返す。

肩甲骨を寄せるときに、胸を過度に張る必要はありません。背中を反らして動かすのではなく、肩甲骨が滑る感覚を探します。

4. 壁を使った肩甲骨の上下運動

壁を使うと、腕を上げる動作を確認しながら肩甲骨を動かせます。投球動作に近い腕の上げ下げを、ゆっくり行う方法です。

  1. 壁に向かって立ち、両手を壁につける。
  2. 手を壁から離さず、痛みのない範囲でゆっくり上へ滑らせる。
  3. 肩をすくめず、肋骨が前へ開きすぎないようにする。
  4. 無理なく上がる位置まで動かしたら、ゆっくり下ろす。
  5. 5〜10回繰り返す。

腕を上げたときに肩の前側が痛む、腕が途中で引っかかる、左右差が大きい場合は、その高さまで上げないでください。

5. 四つばいで肩甲骨を動かす

四つばいの姿勢で、腕を伸ばしたまま肩甲骨を寄せたり広げたりします。肩甲骨を安定させる動きの確認に使えます。

  1. 手を肩の真下、膝を股関節の真下に置く。
  2. 肘を伸ばしたまま、胸を床へ少し近づけるように肩甲骨を寄せる。
  3. 次に、床を押して背中を少し広げる。
  4. 腰を反らしすぎず、5〜10回繰り返す。

手首や肩に負担を感じる場合は、壁に手をついて立った姿勢で同じ動きを行います。投球直前に疲れるほど繰り返す必要はありません。

投球前に行う順番と時間の目安

肩甲骨の運動だけで終わらせず、全身を温めてから投球へ移ります。次の順番なら、動きを急に大きくせずに準備できます。

  1. 軽いジョギングやスキップを2〜5分行う。
  2. 肩回しと腕の前後スイングを行う。
  3. 肩甲骨の寄せる・広げる動きと、壁を使った上下運動を行う。
  4. 短い距離の軽いキャッチボールから始める。
  5. 距離と強度を少しずつ上げ、投球フォームを確認する。

最初から全力投球をせず、ボールを投げながら肩や肘の違和感がないか確認します。肩甲骨を動かした後に動きが軽くなっても、すぐに強い投球へ移る必要はありません。

肩甲骨を動かすときの注意点

痛み、しびれ、腕の力が入りにくい感覚がある場合は、その運動と投球を中止してください。「伸びている感じ」と「鋭い痛み」「引っかかる痛み」は別なので、痛みを我慢して可動域を広げないことが大切です。

  • 反動をつけて肩や腕を振り回さない
  • 肩をすくめたまま腕を上げない
  • 肩甲骨を無理に強く寄せすぎない
  • 呼吸を止めない
  • 運動後や投球中に痛みが強くなる場合は続けない

痛みが繰り返す、投球後も痛みが残る、夜間も痛む、腕が上がりにくいといった場合は、セルフケアだけで判断せず、医療機関や理学療法士などに相談してください。

まとめ

野球の投球前は、腕の前後スイング、肩回し、肩甲骨の寄せる・広げる動き、壁を使った上下運動を組み合わせると、肩甲骨を動かしやすくなります。軽く体を温めてから、痛みのない範囲で各運動を5〜15回ほど行い、軽いキャッチボールから投球へ進んでください。