野球で肩や肘をクールダウンするときは、投球直後に急に止まらず、軽く体を動かしてから、痛みのない範囲で腕をゆっくり動かします。肩や肘を強く伸ばしたり、痛みを我慢してストレッチしたりする必要はありません。
クールダウンの目的は、投球で使った筋肉や関節を落ち着かせ、体の変化を確認することです。肩や肘の痛み、腫れ、しびれがある場合は、クールダウンだけで済ませず、投球を中止して状態を確認してください。
野球の肩や肘をクールダウンする手順
次の順番を目安に、投球後できるだけ早く行います。時間や内容は、投球数、年齢、試合か練習か、体の状態によって調整してください。
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5〜10分ほど歩く、または軽くジョギングする
投球直後に座り込まず、ゆっくり歩くか、無理のない軽いジョギングをします。呼吸が整い、体温が急に下がらない程度の強さにしてください。
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肩甲骨と腕を軽く動かす
腕を前後に小さく振る、肩をすくめて下ろす、肩甲骨をゆっくり動かすといった運動を行います。動かす角度は、痛みや引っかかりがない範囲にとどめます。
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肘を曲げ伸ばしする
肘をゆっくり曲げ伸ばしします。勢いをつけたり、肘を無理に反対側へ押したりしないでください。肘の内側や外側に痛みが出る場合は中止します。
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痛みのない範囲で軽くストレッチする
胸、背中、肩の後ろ、腕の筋肉を、反動をつけずにゆっくり伸ばします。伸びている感覚はあっても、痛み、しびれ、鋭い違和感が出る強さにはしません。
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水分を補給し、肩や肘の状態を確認する
汗をかいた量に応じて水分を補給し、肩や肘の痛み、腫れ、熱感、動かしにくさがないか確認します。投球数や痛みの変化を記録しておくと、次回の練習量を考える材料になります。
クールダウンで行う動きの例
肩や肘を直接強く伸ばすよりも、まず肩甲骨や背中を含めて、腕を楽に動かすことが大切です。次の動きは、痛みがない場合の例です。
- 腕を体の横で小さく前後に振る
- 肩をゆっくりすくめて下ろす
- 肩甲骨を寄せる、広げる動きを繰り返す
- 肘を体の横につけ、前腕をゆっくり内側・外側へ動かす
- 胸や背中を軽く伸ばす
投球後に肩を大きく回す運動や、ゴムチューブを使ったトレーニングを追加する場合は、チームで決めた方法や、指導者・トレーナーから教わった方法を優先してください。疲労した状態で回数や負荷を増やすと、クールダウンではなく追加の負担になることがあります。
アイシングは毎回必要?
痛みや腫れがない場合、アイシングを必ず行わなければならないとは限りません。アイシングは一時的に痛みを和らげることがありますが、痛みを感じにくくすることで、肩や肘の異常を見逃す可能性もあります。
投球後に明らかな腫れや熱感がある、医療者から方法を指示されているといった場合は、指示に従ってください。氷や保冷剤を皮膚へ直接当てたり、長時間冷やし続けたりするのは避けます。冷やしている間に痛み、しびれ、皮膚の色の変化が出た場合は中止してください。
「冷やせば投げ続けられる」と考えるのは危険です。アイシングで痛みが一時的に軽くなっても、次の投球をしてよいという判断にはなりません。
肩や肘の痛みがあるときの判断
投球後に痛みがある場合は、クールダウンを続けるより、まず投球を止めて状態を確認します。特に次の症状があるときは、練習や試合への復帰を急がないでください。
- 投球中や投球後に鋭い痛みがある
- 肩や肘の内側・外側が腫れている、熱を持っている
- 腕が上がらない、肘が伸びない
- しびれや力の入りにくさがある
- 痛みが翌日まで残る、または投球するたびに強くなる
- 球速やコントロールが急に落ち、投げ方を変えないと投げられない
これらは疲労だけではなく、肩や肘のけがが関係している可能性もあります。症状が続く場合や、強い痛み・腫れがある場合は、投球を休み、整形外科などの医療機関やチームの医療スタッフに相談してください。成長期の選手は、本人が「投げられる」と感じていても無理をしていることがあるため、保護者や指導者も状態を確認します。
クールダウンで避けたいこと
- 痛みを我慢して肩や肘を強く伸ばす
- 反動をつけて腕を回す、ねじる
- 投球直後に高負荷の筋力トレーニングを行う
- アイシングで痛みを隠したまま、さらに投げる
- 翌日の痛みや動かしにくさを確認せず、通常どおり投げる
ストレッチ中に「伸びている感じ」があることと、関節に痛みがあることは別です。筋肉の軽い伸び感であれば様子を見られますが、肩や肘の関節部分に痛みや引っかかりがある場合は、その動きを中止してください。
翌日の状態もクールダウンの判断材料にする
投球直後に問題がなくても、翌日に肩や肘の痛み、動かしにくさ、腫れが出ることがあります。翌朝に腕を上げる、肘を曲げ伸ばす、軽く腕を振るといった動作を行い、前日より悪化していないか確認してください。
痛みが残っている、動きが悪い、投球フォームを変えないと投げられない場合は、投球量を増やさず、指導者や医療スタッフに相談します。クールダウンは、投球の負担をなかったことにするものではありません。
野球の肩や肘のクールダウンは、軽く歩く・腕と肩甲骨を痛みなく動かす・無理のない範囲で伸ばす・水分と状態を確認する、という流れが基本です。痛みや腫れがある場合は、冷やして終わりにせず、投球を中止して回復を優先してください。







